「十坪ジム初石」開設1周年記念講演会 講演の要旨 第1回 平成29年2月20日 第2回 平成29年4月24日
中高年期の運動と健康づくりのノウハウ 第2回
小林寛道 (東京大学名誉教授)
認知動作型QOMトレーニング の基本
1.柔軟性: 関節可動域 動きの柔軟性
2.動きの合理性: 効率的な動き 発揮パワーの有効利用
3.神経支配: 膝腰同側動作
4.姿勢バランス:見た目の美しさ 美しい姿勢を保もって動作する能力
5.筋力の強化: インナーマッスルを用いる動き
6.骨格の矯正: 姿勢の矯正(猫背、前かがみ、O脚など)
姿勢の用語1(QOM用語) 骨盤の傾きと動きの方向に関するもの
① 骨盤の前傾・・・腰椎を伸ばして下腹を突き出し、骨盤が下向きになる状態
② 骨盤の後傾・・・腰を丸め下腹をひっこめ、骨盤が上向きになる状態
③ 骨盤を開く・・・前後に開脚した姿勢で、骨盤を後ろ脚側に捻り、両脚と骨盤がおなじ平面上に並ぶようにすること
姿勢の用語2(QOM用語) 骨盤の傾斜と脊柱の形に関するもの
① 馬型:骨盤を前傾させ、脊柱(腰椎と胸椎)をそり伸ばした形・・(俗称:鳩胸出つ尻)
② 豹型:骨盤を後傾させ、腰を丸めた形・・・(俗称:丸め腰)
③ チーター型:骨盤を後傾させ腰と背中を丸めた形・・・(俗称:猫背丸め腰)
動きの用語1(QOM用語) 体軸に関するもの
① 右体軸姿勢・・・右足、右膝、右腰、右肩(腕の付け根)が、鉛直線上に位置する姿勢
② 左体軸姿勢・・・左腰、左膝、左腰、左肩(腕の付け根)が、鉛直線上に位置する姿勢
③ 正中体軸姿勢・・・両足を約30㎝離して平行に向けてそろえ、直立した姿勢。
動きの用語2(QOM用語)歩行動作に関するもの
① 膝腰同側動作・・・膝と腰を同じ方向に動かすこと
② ナンバ型動作・・・膝腰同側動作を行うとき、手を膝・腰と同じ方向に動かすこと
③ ヒト型動作・・・・膝腰同側動作を行うとき、手を膝・腰と反対方向に動かすこと。
動きの用語3(QOM用語)
① 膝腰同側スウィング・・・脚を前後に振る動作で、スウィング脚と同じ側の腰を、脚の動きに合わせて捻るようにスウィング動作に同期させること。
「十坪ジム初石」でのトレーニング
① すり足動作型トレーニングマシン:膝腰同側動作、ナンバ型動作、ヒト型動作、馬型、豹型、
② スプリントトレーニングマシン:膝腰同側動作、動作バランス、股関節の鼓型回転動作。
③ 車軸移動式パワーバイク:右体軸、左体軸の姿勢(ポージング)、体軸移動のペダリング。
④ トレッドミル:トロッコ押し動作、大股動物歩き、膝腰同側型コアストレッチ歩行。
⑤ メリーちゃん:自動式楕円軌道自転車による体幹深部筋への刺激と動的柔軟性の高める動き。
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第1回 平成29年2月20日
「中高齢期の運動と健康づくりのノウハウ」
演者 小林寛道 東京大学名誉教授・
東京大学スポーツ先端科学研究拠点 特任研究員
第Ⅰ章 概論
1.社会的背景
日本人の平均寿命 (男性80歳 女性87歳)
100歳以上の高齢者 6万5千人~7万人(近い将来10~20万人)
・フレイル(体力的な虚弱) ・サルコペニア(老化による筋の萎縮)
・ロコモ(運動器の機能低下) ・メタボ(代謝の異常・糖尿病になりやすい)
・認知症(予防と対策が大切)
*〈疾病の予防に留意し、健康な人生を送れるように、毎日の生活の中で、身をもって心がけることが大切〉
2.高齢者の社会とのかかわり
・閉じこもりの予防(外出の機会を作る) ・社会的活動に参加する
・人・文化との交わり(動物、植物、自然、文化、教養・・・)
・精神的、精神衛生的な心の持ち方(神仏・怒りの抑制、素直さ、笑い、笑顔・・)
3.健康と身体活動
・QOL ( Quality of Life)の向上 (WHOで認められた概念)
・ADL( Ability of Daily Living)
*QOM(Quality of Motion)(「十坪ジム」が推奨する概念)
(東京大学スポーツ先端科学研究拠点ジム(QOMジム)2017年3月OPEN)
4.健康を高める運動の方法
・有酸素運動(1968年 ケネスクーパー博士提唱)AEROBICS(エアロビクス)
・筋力トレーニング(アウターマッスル、インナーマッスル (大腰筋))
(貯筋運動:大腿四頭筋など、主導筋の強化)、腹筋、スクワット、四股
・身体運動にかかわるバランス運動(バランスボールなど)
・柔軟性向上の運動(ストレッチ、ヨガ、・・・)
5.運動と筋肉の関係
・ルーの3法則
①適度に使えば発達する、②使いすぎると壊れる ③使わないと衰える
Wilhelm Roux(1850~1924)ドイツの発生学者(実験発生学)イエナ大学「機能を営む器官は、機能に適したように形づくられる」という機能適応の説を論じた。(当時、周囲からは評判が悪かった。メンデルの優勢遺伝と同様にも悪評)
6.ルーの法則の発展形
・トレーニングの原理(①過負荷(オーバーロード)の原理、②可逆性の原理、③特異性の原理(競技種目特性に関連))
・トレーニングの五大原則(①全面性の原則、②個別性の原則、③漸進性の原則、
④反復性(継続性)の原則、⑤意識性(自覚性)の原則)
第Ⅱ章 「十坪ジム」の認知動作型トレーニング
1.トレーニング(training)とコンディショニング(conditioning)の違い
*中高齢者では、トレーニングよりコンディショニングが好ましい
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中高年期の運動と健康づくりのノウハウ 第2回
小林寛道 (東京大学名誉教授)
認知動作型QOMトレーニング の基本
1.柔軟性: 関節可動域 動きの柔軟性
2.動きの合理性: 効率的な動き 発揮パワーの有効利用
3.神経支配: 膝腰同側動作
4.姿勢バランス:見た目の美しさ 美しい姿勢を保もって動作する能力
5.筋力の強化: インナーマッスルを用いる動き
6.骨格の矯正: 姿勢の矯正(猫背、前かがみ、O脚など)
姿勢の用語1(QOM用語) 骨盤の傾きと動きの方向に関するもの
① 骨盤の前傾・・・腰椎を伸ばして下腹を突き出し、骨盤が下向きになる状態
② 骨盤の後傾・・・腰を丸め下腹をひっこめ、骨盤が上向きになる状態
③ 骨盤を開く・・・前後に開脚した姿勢で、骨盤を後ろ脚側に捻り、両脚と骨盤がおなじ平面上に並ぶようにすること
姿勢の用語2(QOM用語) 骨盤の傾斜と脊柱の形に関するもの
① 馬型:骨盤を前傾させ、脊柱(腰椎と胸椎)をそり伸ばした形・・(俗称:鳩胸出つ尻)
② 豹型:骨盤を後傾させ、腰を丸めた形・・・(俗称:丸め腰)
③ チーター型:骨盤を後傾させ腰と背中を丸めた形・・・(俗称:猫背丸め腰)
動きの用語1(QOM用語) 体軸に関するもの
① 右体軸姿勢・・・右足、右膝、右腰、右肩(腕の付け根)が、鉛直線上に位置する姿勢
② 左体軸姿勢・・・左腰、左膝、左腰、左肩(腕の付け根)が、鉛直線上に位置する姿勢
③ 正中体軸姿勢・・・両足を約30㎝離して平行に向けてそろえ、直立した姿勢。
動きの用語2(QOM用語)歩行動作に関するもの
① 膝腰同側動作・・・膝と腰を同じ方向に動かすこと
② ナンバ型動作・・・膝腰同側動作を行うとき、手を膝・腰と同じ方向に動かすこと
③ ヒト型動作・・・・膝腰同側動作を行うとき、手を膝・腰と反対方向に動かすこと。
動きの用語3(QOM用語)
① 膝腰同側スウィング・・・脚を前後に振る動作で、スウィング脚と同じ側の腰を、脚の動きに合わせて捻るようにスウィング動作に同期させること。
「十坪ジム初石」でのトレーニング
① すり足動作型トレーニングマシン:膝腰同側動作、ナンバ型動作、ヒト型動作、馬型、豹型、
② スプリントトレーニングマシン:膝腰同側動作、動作バランス、股関節の鼓型回転動作。
③ 車軸移動式パワーバイク:右体軸、左体軸の姿勢(ポージング)、体軸移動のペダリング。
④ トレッドミル:トロッコ押し動作、大股動物歩き、膝腰同側型コアストレッチ歩行。
⑤ メリーちゃん:自動式楕円軌道自転車による体幹深部筋への刺激と動的柔軟性の高める動き。
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第1回 平成29年2月20日
「中高齢期の運動と健康づくりのノウハウ」
演者 小林寛道 東京大学名誉教授・
東京大学スポーツ先端科学研究拠点 特任研究員
第Ⅰ章 概論
1.社会的背景
日本人の平均寿命 (男性80歳 女性87歳)
100歳以上の高齢者 6万5千人~7万人(近い将来10~20万人)
・フレイル(体力的な虚弱) ・サルコペニア(老化による筋の萎縮)
・ロコモ(運動器の機能低下) ・メタボ(代謝の異常・糖尿病になりやすい)
・認知症(予防と対策が大切)
*〈疾病の予防に留意し、健康な人生を送れるように、毎日の生活の中で、身をもって心がけることが大切〉
2.高齢者の社会とのかかわり
・閉じこもりの予防(外出の機会を作る) ・社会的活動に参加する
・人・文化との交わり(動物、植物、自然、文化、教養・・・)
・精神的、精神衛生的な心の持ち方(神仏・怒りの抑制、素直さ、笑い、笑顔・・)
3.健康と身体活動
・QOL ( Quality of Life)の向上 (WHOで認められた概念)
・ADL( Ability of Daily Living)
*QOM(Quality of Motion)(「十坪ジム」が推奨する概念)
(東京大学スポーツ先端科学研究拠点ジム(QOMジム)2017年3月OPEN)
4.健康を高める運動の方法
・有酸素運動(1968年 ケネスクーパー博士提唱)AEROBICS(エアロビクス)
・筋力トレーニング(アウターマッスル、インナーマッスル (大腰筋))
(貯筋運動:大腿四頭筋など、主導筋の強化)、腹筋、スクワット、四股
・身体運動にかかわるバランス運動(バランスボールなど)
・柔軟性向上の運動(ストレッチ、ヨガ、・・・)
5.運動と筋肉の関係
・ルーの3法則
①適度に使えば発達する、②使いすぎると壊れる ③使わないと衰える
Wilhelm Roux(1850~1924)ドイツの発生学者(実験発生学)イエナ大学「機能を営む器官は、機能に適したように形づくられる」という機能適応の説を論じた。(当時、周囲からは評判が悪かった。メンデルの優勢遺伝と同様にも悪評)
6.ルーの法則の発展形
・トレーニングの原理(①過負荷(オーバーロード)の原理、②可逆性の原理、③特異性の原理(競技種目特性に関連))
・トレーニングの五大原則(①全面性の原則、②個別性の原則、③漸進性の原則、
④反復性(継続性)の原則、⑤意識性(自覚性)の原則)
第Ⅱ章 「十坪ジム」の認知動作型トレーニング
1.トレーニング(training)とコンディショニング(conditioning)の違い
*中高齢者では、トレーニングよりコンディショニングが好ましい
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